転職のリスクと
キャリアアップ法について

転職の理由を改めて考える

その気になれば、会社を辞めることはいつでもできます。ところが、その後の転職が、必ずしもベターな結果になるとはいいきれないのも事実。現在より条件がよくなるとは限りませんし、かえって条件が悪くなる場合もあります。
まず、転職したい理由はどこにあるのか、転職をして何がしたいのか、本当に転職が自分にとって最善の選択なのかなどを、じっくりと考えてみる必要があります。
転職理由として、一般的なパターンを見てみましょう。

  • 会社の人間関係がうまくいかない
  • 激務で体が持たない
  • 自分に対する会社の評価に不満がある
  • 仕事が自分に合わない。つまらない
  • 他の仕事が面白そう
  • 給与など待遇面で不満がある
上記の「会社の人間関係がうまくいかない」というパターンですが、これはどこの会社でも起こりうる可能性があります。転職を考える前に、これまで自分は人間関係の問題を解決する努力をしてきたか、あるいは自分自身に問題原因がなかったかを、振り返ってみる必要があります。そうでなければ、転職しても再び同じ悩みを抱えることになります。
さらに「仕事が自分に合わない。つまらない」「他の仕事が面白そう」というパターンは、安易な考えに根ざしていることも少なくありません。他社・他業種に移ったとしても、最初から自分の望む仕事に就けるわけではありませんし、そこで少しでも不満を感じたら、また転職を繰り返すといった悪循環に陥るケースも見受けられます。

実際に、会社や職場環境に対する不満あるいは問題が転職理由であることも多いのですが、いずれにせよ、それを解消・改善するためにこれまで何らかの行動をとったかどうか、今一度思い返してみてください。転職を考えるのはそれからでも決して遅くはありません。
さらに、転職回数が多いと、転職自体が困難になってきます。たとえどんなに能力があっても、短期間で会社を辞めてしまう人物を企業は評価しないのが一般的です。

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転職のリスクを念頭に

転職にはいくつものリスクが伴います。代表的なものをあげてみましょう。

  • 前職よりも給料が減る、賞与が少なくなる(なくなる)など、転職前より条件が悪くなる
  • 経験があっても転職先では新人扱い。初めから望む仕事を任せられることは少ない
  • 社内や顧客との新たな信頼関係の構築をしなければならず、精神的な負担が大きい
  • 会社を退職してから転職活動をする場合、なかなか転職先が決まらないと、焦りから安易に妥協してしまい、入社してから後悔する
  • 前職と転職先の業務に何らかの一貫性がないとキャリアの構築ができない場合がある
これらのリスクがあることをふまえ、転職は慎重に行うべきです。転職を考えだすと、他の会社のほうがよく思える錯覚に陥ることがあり、冷静で客観的な判断ができないことがあります。じっくり時間をかけ、情報収集を行いましょう。

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キャリアアップのために

会社でより高い地位に就くことや、今より大きな会社に移ることもキャリアアップのひとつといえますが、ここでは「意識して能力・スキルの向上と自己実現をめざし、継続して努力した結果、得られる仕事経験」と定義します。
もちろん、転職はキャリアアップの契機となりえますが、単に転職を重ねることとイコールではありません。
目標を定め、そのために継続して仕事上の経験値を増やす、成果を積み重ねる、必要に応じて資格を取得する、人脈を広げるなど、一定の方向性や軸に基づいて努力していく姿勢が、キャリアアップには必要なのです。

会社外での、自分の値打ちはどのくらいなのかを考えてみたことがあるでしょうか。キャリアアップをめざすなら、転職市場における自身の市場価値を把握し、それを高めていくことも欠かせません。そのためには何が必要か、現在の自分に不足しているのは何か、を常に考えて行動していけば、自分自身のキャリアアップの方向性が見えてくるはずです。
インターネット上で、あなたの職務経歴などの情報から、現在の年収査定を診断してくれるサイトがあります。よりよい転職やキャリアアップに際し、こうしたサービスの利用を通じて、ご自身の価値を確認されることをおすすめします。

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