もし、自分が勤めている会社が
ある日突然、倒産したら?
会社が倒産したら、どうなる?
倒産とは、会社が経営に行き詰まり、取引先に対して支払いができなくなった状態をさし、大きく清算型倒産と再生型倒産の2タイプに分けられます。
会社を解散し、会社の財産を債権者(その会社に金銭の支払いなどを請求する権利のある人や企業)に分配することを目的とする清算型倒産では、会社そのものが消滅するので、社員は全員解雇となります。一方、財産を債権者に分配しながら会社の再建をめざす再生型倒産であれば、一応雇用は継続されますが、社員の削減は避けられないのが現実です。また、どちらのタイプの倒産にしても、給与の支払いが行われなかったり遅れたりすることがあります。では、もし会社がそのような状態になった時はどうしたらいいのでしょうか?
給料が未払いの場合は?
未払いの給料は「労働債権」と呼び、法律で優先的に支払いを受けられるようになっています。しかし、倒産時には債権者たちが先を争って債権の回収に押しかけるため、未払いの給料を会社に支払わせるための行動はすみやかにとることが大切です。
未払いの給料を回収するには、まずは文書などで会社に内容確認させておくことが望ましいのですが、出勤状況がわかるタイムカードや手帳などを用意しておくことも大切です。また、退職金や賞与(ボーナス)も労働債権となる場合がありますので、会社の就業規則を確認しておきましょう。その上で、労働組合や同僚などと団結し、必要に応じて弁護士や労働基準監督署と相談しながら、会社と交渉します。
それでも未払い賃金がある場合は、一定の要件に該当すれば、上限額はあるものの、政府が立て替え払いをしてくれることもあります(図表[1])。また、倒産によって離職を余儀なくされた人は、雇用保険の失業給付を受ける際、定年や自己都合により離職した場合に比べて給付日数が長くなり、待機期間満了後の給付制限はありません。