働く人々を守る法律
「労働基準法」について②
労働基準法 - ② 休日、年次有給休暇
(1)休日(労働基準法第35条)
休日は少なくとも毎週1日、または4週間を通じて4日の休日が確保されていなければなりません。
休日は労働する義務がない日のことです。休日をいつ、何日取れるのかは、雇用契約を結ぶときに必ず確認しておきましょう。
こんなケースありませんか?
業務量が急激に増えたため、上司から休日もすべて出勤するよういわれている。
振替休日を取るなどして、休日を確保しましょう。振り替えた休日も出勤せざるを得ない場合は、休日勤務手当を請求することができますが、できる限り業務の調整を行い、休日を確保することが大切です。
こんなケースありませんか?
国民の祝日、国民の休日が会社の休日になっていない。
労働基準法では、「国民の祝日及び国民の休日」を会社の休日とするよう義務づけてはいません。このため、法律で定められた休日数が確保されていれば、会社がそのように定めることも問題ありません。
(2)年次有給休暇(労働基準法第39条)
入社後6ヵ月が経過して、その間の出勤率が8割以上であれば、10日間の年次有給休暇を取得することができます。
年次有給休暇は、上記の要件を満たせば、すべての社員が取得することができます。取得できる日数については、下表の通りとなります。なお、その年のうちに取得できなかった年次有給休暇は、翌年度中に取得しないと時効(2年)により権利が消滅してしまいます。
◎年次有給休暇の付与日数
① 一般の社員(週の勤務日数が5日以上、または週の勤務時間が30時間以上の社員)
継続勤務年数 | 6ヵ月 | 1年 6ヵ月 |
2年 6ヵ月 |
3年 6ヵ月 |
4年 6ヵ月 |
5年 6ヵ月 |
6年 6ヵ月以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
② パートやアルバイトなど勤務日数が少ない社員
(週の勤務日数が4日以下、かつ週の勤務時間が30時間未満の社員)
週の 勤務日数 |
年間の 勤務日数 |
継続勤務年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6ヵ月 | 1年 6ヵ月 |
2年 6ヵ月 |
3年 6ヵ月 |
4年 6ヵ月 |
5年 6ヵ月 |
6年 6ヵ月以上 |
||
4日 | 169~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
(2-1)年次有給休暇(労働基準法第39条第7項及び第8項)平成31年4月1日施行
全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させなければなりません。
年5日の有給休暇を取得させなければならない労働者とは、有給休暇が10日以上付与される労働者です。
アルバイト・パートなどフルタイムでなくても、以下の基準を満たす方は該当となります。
- 週30時間以上勤務している
- 週5日以上勤務している
- 年間217日以上勤務している
- 入社後3年半以上経過していて週4日(または年間169日〜216日)勤務している
- 入社後5年半以上経過していて週3日(または年間121日〜168日)勤務している
こんなケースありませんか?
当社には有給休暇制度はないといわれた
年次有給休暇は、社員に対して法律上認められた権利です。有給休暇を取りたいという申し出に対して、年休制度がないと、請求を拒むことはできません。
こんなケースありませんか?
パートやアルバイトは有給休暇を取れないといわれた
年次有給休暇は、正社員だけでなくパートやアルバイトといった非正規社員であっても取得することができます。ただし、取得することができる日数は、週の勤務日数や勤務時間数により異なります。
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