性別による差別を防止する
「男女雇用機会均等法」について

男女雇用機会均等法は、社員が性別により差別されることなく、かつ、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することを目的としています。

募集・採用から、入社後の配置・待遇決定、定年・解雇・雇止めに至るすべての段階で、性別を理由とする差別は禁止されています。

以前は女性に対する差別のみを禁止していましたが、現在では男女双方に対する差別が禁止されています。

こんなケース イメージ

こんなケースありませんか?

営業職を希望しているが、営業は男性しか配属しないと断られた

ここを確認
営業は男性のみ、受付は女性のみと限定して配属することは違法です。また、募集の際、「男性歓迎」「女性向きの職種」などと、男女どちらかの性別を表記することも禁止されています。

こんなケースありませんか?

パート・アルバイトの人員削減の際、女性だけが契約更新を拒まれた。

ここを確認
雇止めにあたって、男性は契約を更新し、女性であることだけを理由にして、人員削減の対象とすることは違法です。

(1)間接差別の禁止(男女雇用機会均等法第7条)

性別以外の理由でも、実質的に性別間で相当程度の不利益が生じる措置は、合理的理由がない限り禁止されています。

性別を理由にした差別ではなくても、実質上は性別間で大きな差別が生じるケースがあります。会社がそのような措置をとることは、合理的な理由がない限り禁止されています。

こんなケース イメージ

こんなケースありませんか?

従業員の募集や採用にあたり、身長や体重、体力などを要件としている。

ここを確認
荷物を運搬する業務を内容とする職務について、その業務を行うために必要な筋力以上を要件とする場合、合理的な理由が無いとして、間接差別となることがあります。

こんなケースありませんか?

(2)妊娠・出産などを理由とした不利益取り扱いの禁止(男女雇用機会均等法第9条)

女性が妊娠や出産をしたことを理由に、不利益な取り扱いをすることは禁止されています。

女性については、結婚や妊娠、出産を理由として、会社から退職を強要されたり、正社員からパートタイマーに身分変更を迫られるなどの事例が見られますが、このような取扱いは法律で禁止されています。

こんなケース イメージ

こんなケースありませんか?

女性社員は出産を機に退職しなければならないという慣習があり、上司から退職をするよう勧奨を受けた

雇用契約期間の途中に産休を取得することになったが、産休の取得を理由に、その雇用契約の更新を拒まれた

ここを確認
妊娠や出産をしたことを理由に、会社から退職勧奨や雇止めなどの不利益な取り扱いは違法です。社内に相談窓口がある場合、まずはそちらに相談をしてください。社内に相談窓口がない場合や、社内での解決が困難な場合は、公的な機関を利用して解決を図ってください。(「(4)セクシュアルハラスメントに関する相談先」を参照)

(3)職場におけるセクシュアルハラスメントの防止(男女雇用機会均等法第11条)

会社は、セクシュアルハラスメントを防止するために、必要な措置を講じなければなりません。

セクシュアルハラスメント対策として、会社は主に次のような措置を取るよう義務づけられています。

① セクシュアルハラスメント対策の方針の明確化とその周知
② セクシュアルハラスメント対策に関する就業規則などの規程の整備
③ 相談窓口の設置
④ セクシュアルハラスメントが起こった場合の、迅速かつ適切な対応 など

【セクシャルハラスメントとは】
職場におけるセクシュアルハラスメントには次の2つのタイプがあります。

① 「対価型セクシュアルハラスメント」
社員の意に反する性的な言動に対して拒否や抵抗したことにより、解雇や減給などの不利益を受けること

こんなケースは、「対価型セクシュアルハラスメント」の典型的な例です。

●「事業主に性的関係を要求されたが拒否したため、会社から解雇された」
●「車を使っての外勤中、上司に車内で腰や胸などを触られたが抵抗した。その後、特に理由もないのに、転居が必要となるような支店への転勤を命じられた」

② 「環境型セクシュアルハラスメント」
社員の意に反する性的な言動により、就業環境が不快なものとなり、職場で働く上で重大な支障が生じること

こんなケースは「環境型セクシュアルハラスメント」の典型的な例です。

●「事業所内で上司から腰や胸等を度々触られ、精神的苦痛を受けたため、勤務の継続が困難となった。」
●「社員が抗議しているのにもかかわらずヌードポスターなどを貼り、その社員が就業に専念できなくなった」

セクシュアルハラスメントを受けた場合、まずは会社の担当者に相談をしてください。
また、会社内で相談をしにくい場合や、会社内で解決することが困難だと思われる場合には、下記の公的機関を利用して解決を図る方法もあります。

(4)セクシュアルハラスメントに関する相談先

相談機関 HPアドレス
都道府県労働局
雇用均等室
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/funso_jp.pdf
労働基準監督署 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html
PageTop