働き方の選択

本来、就職とは「職」に就くことであり、会社に入ることのみを表わしているわけではありません。しかし、就職=入社という公式は、あまりに一般的な概念になりすぎて、疑問すら感じない方も多いのではないでしょうか。
ここでは角度を変えて、職業そのものや働き方について見ていきましょう。

【「会社に入る」→「○○になる」「○○をやってみる」】
世の中にはさまざまな職業があります。そのすべてが会社に入ってする仕事とは限りません。
そこで、「会社に入る」という考え方から「○○になる」「○○をやってみる」と視点を変えてみてはどうでしょう。
たとえば、「寿司職人になる」「大工になる」、「農業をやる」という考え方です。寿司職人になるには、チェーン店の社員として技術を身につける方法もあれば、個人経営の寿司店で従業員として働きながら修業する方法もあります。さらに、一人前の職人となった後は、有名店や老舗に移って腕を磨く、いわばキャリアアップをはかる道を選ぶこともできますし、独立自営で店舗を構えることも夢ではありません。このように職業観や働き方を柔軟にとらえると、将来の可能性が広がるとお思いになりませんか。
では、働き方にはどのようなものがあるかを見てみましょう。

技術を身につける

これは自らが身につけた技術によって、手作業でものを作ったり、サービスを提供する働き方です。 ここでは5つに分類して、職種を紹介します。

① もの作り

家具職人、彫金師、ガラス製品製造工、七宝工、鋳物工、金型製作工、その他

② 伝統工芸

竹工芸師、仏壇・仏具職人、和紙職人、扇子職人、漆器工、その他

③ 建築・土木

左官、大工、塗装工、造園師(庭師)、建築士、その他

④ 食関連

寿司職人、清酒製造工、ワイン製造工、和菓子職人、その他

⑤ サービス

美容師・理容師、エステティシャン、カイロプラクター、はり、きゅう(鍼・灸)師

※ かつて職人は、無給での住み込みが弟子入りの条件のようになっていましたが、現在では、社会通念の変化や後継者育成の観点から、給与を支給するケースも珍しくなく、小規模ながら会社組織にしているところも増えてきています。また、中には職業訓練校で学べる技術もあります。

※ メーカーや建築関係の会社では、社員として技術者を養成しているケースも少なくありません。めざす職種を募集している企業があれば、そこに入社して技術を身につけることになります。

※ 工芸品を作る工房などでは、体験実習やアルバイトを募集しているケースもあり、自分に合う仕事かどうかを判断する機会が持てます。

※ 上記には資格取得が必要な職業もあります。それぞれどのような資格が必要か調べて、資格を取得するためのスクールや専門学校に通うことが就職への第一歩となります。

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介護職をめざす

介護職は、今後さらに需要が高まることが予想され、専門職として注目を集める職種です。

① ホームヘルパー

在宅での生活が困難な方々の食事や排泄・入浴の介助や洗濯、食事の準備などの他にも、精神面でのケアも行う、介護の現場にはなくてはならない仕事です。

② 介護福祉士

介護の専門的な知識や技術を持ち、身体や精神に障害があって介護を必要とする人の日常生活をサポートする仕事です。
主に、食事や入浴、着替え、排泄の介助、体位変換などの「身体介護」と、調理や洗濯、買い物、掃除などの「家事援助」をする他、通院の付き添いや医療機関への連絡、介護計画の立案など、身の回りの支援を行います。

③ ケアマネージャー

介護が必要な人の心身の状況や環境などを総合的に判断して、適切な介護・医療サービスが提供されるように調整する仕事です。

※ ホームヘルパーは、研修を受けることで資格取得できます。

※ 介護福祉士は国家資格、ケアマネージャーは公的資格であり、受験するためには専門教育を受ける必要があります。しかし、必ずしも学校を卒業しなければならないわけではなく、実際に施設で働くなどの実務経験で、受験資格を得られる場合もあります。

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農林漁業をめざす

農林漁業に従事する人口が減少する中、若者の参加に対する期待度が高まっています。テレビでも農林漁業を体験する若者の様子が放映され、注目を集めています。

① 農業

最近では「就農」という言葉も定着し、農業法人への就職という道が開かれています。若者に興味を持ってもらうための農業体験の企画などが盛んに行われ、また農業をめざす人向けの説明会などのイベントなども開催されています。

② 林業

林業の仕事は、植林、木を育てる、木の伐採などの作業が中心です。林業就労者の高齢化が問題になっていますが、最近は機械化が進み、以前よりは安全で効率的な仕事になっています。一般的に林業に就く場合、林業会社か森林組合に入ることになります。

③ 漁業

漁業においても高齢化が進み、世代交代が急務となっています。各自治体では、漁業への就職イベントを企画・開催しています。漁業団体への就職をめざす人向けには全国漁業協同組合学校(※)という教育機関もあります。

※応募資格の条件
漁業協働組合系の推薦が必要になります。地元に漁協などがない場合は最終学歴の学校推薦とします。また、学校推薦が受けられない場合は保護者の推薦状でも応募可能です。

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