増加するニート、フリーター
自己責任論では解決しないニート、フリーター
若者を取り巻く社会環境は複雑化してきています。その中でフリーターやニートと呼ばれる存在がクローズアップされています。
フリーターの定義は「15~34歳の若年(ただし、学生と主婦を除く)のうち、パート・アルバイト(派遣などを含む)及び働く意志のある無職の人」とされています(内閣府)。
また、ニートは「教育を受けておらず、働いてもいない、職業訓練も受けていない人」などと一般的には考えられており、厚生労働省の定義では「非労働力人口のうち、15~34歳に限定し、家事も通学もしていないその他の者」、内閣府では「学校に通学せず、独身で、収入を伴う仕事をしていない15~34歳の個人」 としています。
ニートやフリーターは増加傾向にあり、その理由としては、核家族化や少子化という家庭環境や、教育問題、雇用非正規化の流れなどがあげられます。非正規雇用(パート・バイト・派遣など)での就労は、安定性を欠き、将来の見通しを描きにくいといったことから、労働意欲の減退につながることもあります。さらにフリーター、ニートへの社会的偏見も無視できません。有識者の中には、「フリーターやニートになるのは、本人に原因がある」と自己責任論をふりかざす向きもいるようですが、それこそ最たるものといえます。
どうやって。ニートからの脱出
ニートは、自分がニートになった原因を探り、社会生活を営む基本的訓練から開始しなければならないという厄介な面を持っています。
ニートは世界的な問題として、その解決に向けた取り組みが行われています。英国の「コネクションズ」、オーストラリアの「ユースパスウェイ」、フランスの「ミッションローカル」などがその代表といえます。特に「コネクションズ」はパーソナル・アドバイザーと呼ばれる担当者が街や家庭に出向き、個別に相談に乗るという、積極的なニート対策を講じています。
日本では、「地域サポートステーション」というシステムがあります。
地域サポートステーションは全国172ヵ所(サテライト含む)に設置され、無業の状態にある若者と保護者に、専門的な相談・各種プログラム・職場体験・地域ネットワークを活用した支援などを行っています。