若年者雇用の助成・支援策
実を結び始めた厚生労働省の雇用安定・生活支援政策
雇用の安定と生活支援対策を厚生労働省が推進しています。
事業者に対し雇用維持を働きかける助成金の設定、地域活性化雇用創造プロジェクトの開始、個人向けセーフティネット・生活支援、内定取り消し対策としての企業指導の強化など、少しずつ成果が表れてきました。
新たなセーフティネット「求職者支援制度」
「求職者支援制度」とは、雇用保険による失業給付と、生活保護の間に位置する新たなセーフティネットです。失業しても雇用保険の失業給付を受給できず生活基盤を喪失する方を救済するため「緊急人材支援事業(基金訓練)」が行なわれてきました。この「緊急人材支援事業(基金訓練)」を制度化したものが「求職者支援制度」です。
「求職者支援制度」には「求職者支援訓練」と「職業訓練受講給付金」があります。
①「求職者支援制度」の支援対象者は、
- ハローワークに求職の申込をしていること。
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給者ではないこと。
[例えば…]
雇用保険に加入できなかった方
雇用保険の失業給付を受給中に再就職できないまま支給終了した方
雇用保険の加入期間が足りずに雇用保険の失業給付を受けられない方
自営業を廃業した方
学卒未就職者の方 - 労働の意志と能力があること。
- 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワーク所長が認めたこと。
②「求職者支援訓練」は
公共職業訓練や、求職者支援訓練(民間訓練機関が行なう厚生労働省の認定を受けた職業訓練)で、受講料は無料(テキスト代などは自己負担)です。
③「職業訓練受講給付金」は
「求職者支援訓練」を受け、一定の要件を満たす場合が支給されます。
「職業訓練受講給付金」の支給要件は
- 本人の収入が月8万円以下(収入とは、賃金等の他に、年金その他全般の収入)。
- 世帯全体の収入が月25万円(年300万円)以下(「世帯」とは本人の他、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当)。
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない。
- 全ての訓練実施日に出席する方(やむを得ない理由がある場合は8割以上の出席)。
- 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない。
- 過去3年以内に、偽りその他不正な行為によって、特定の給付金の支給を受けたことがない。
- 訓練期間中から訓練終了、定期的にハローワークに来所して、職業相談を受けること。
- 職業訓練受講手当・・・・・月額10万円
- 通所手当(上限額あり)
職業訓練受講手当は、ハローワークに来所して職業相談を受けた後、支給申請を行います。
④求職者支援資金融資
「職業訓練受講給付金」を受給できる方で、受給金だけでは生活費が不足する場合は融資制度を利用することができます。
貸付の上限額は
- 同居配偶者等(同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母)がいる方・・・・・月10万円
- それ以外の方・・・・・5万円