注目の中堅・中小企業

  • 株式会社 南武
  • 代表者:代表取締役 野村 和史
  • 設立:1965年12月
  • 資本金:58,000,000円
  • 本社所在地:〒144-0047 東京都大田区萩中3-14-18
  • URL:http://www.nambu-cyl.co.jp/

高い技術力と人への思いで成長する
堅実で偉大な町工場

女性技能者が活躍することで、明るく活気のある職場環境を築いた同社。業界の内外を問わず注目を集めている。

女性技能者が活躍することで、明るく活気のある職場環境を築いた同社。業界の内外を問わず注目を集めている。

教育の一環として、グローバル時代を見据え、週1回、外国人教師を招いて英会話教室を実施している。

教育の一環として、グローバル時代を見据え、週1回、外国人教師を招いて英会話教室を実施している。

多品種少量の受注生産に特化

約4000の町工場が建ち並ぶ東京都大田区の一角に、特殊油圧シリンダなどの設計・製作・販売を手掛ける株式会社南武がある。同社は、自動車エンジンの製作などに使われる特殊油圧シリンダ、正確には「金型用中子抜き油圧シリンダ」の日本におけるシェアの6割、さらに、製鉄工場で使われる「鋼鈑巻取り用ロータリジョイント・ロータリシリンダ」という特殊な商品ではアジア、USAでのシェアの7割を占める業界トップクラスの企業。

現在の主要な取引先は、中子抜き油圧シリンダの場合、大手自動車メーカーなど。ロータリジョイント・ロータリシリンダは大手製鉄メーカーなどだが、大量生産や他社の模倣は、最終的に価格競争という消耗戦になり、長期的な利益につながらないと考えているため、独自に培った技術力で、多品種少量の受注生産に特化している。また、海外進出にも意欲的で、2002年にはタイに、さらに2011年7月には、中国工場「南武油缸(常州市)有限公司」が稼動した。

人を大切にし、高い定着率を誇る

タイの現地責任者は、本社から異動した2名の内の1人で、32歳でタイ工場の社長に就任し、現在3年目。中国工場の責任者も40代半ばで、もともと本社の設計部門に所属し、日本国籍に帰化した元中国人。副総経理も33歳と若い。同社は、ビジネス上の安全・安定性やリスクの軽減などを最優先にしながら展開する企業が多い中、やる気のある若い社員を信頼し、思い切って権限を移譲して任せる方針を実践している。

また、これまで男ばかりだった「技能者」の世界に、近隣の普通高校の女性たちを抜擢するなど、斬新な採用で業界関係者を驚かせた。その結果、これまでは育成できないだろうと思われていた人材を戦力化することに成功したと同時に、女性の視線を気にする男性社員が、率先して職場を清潔にするなど、整理整頓が行き届くようになった。そして、職場にそれまで以上の活気が出て雰囲気が良くなり、定着率が非常に高くなったという。

設備投資に加え、人にも投資する

担当業務を無難にこなすだけでなく、経験を重ねるごとにスキルアップしていくことが働く喜びとなり、会社の発展にもつながると考える同社は、設備投資に加え、人への投資にも余念がない。たとえば、部署ごとに頻繁に開かれる勉強会、情報共有とスキルアップのための支援、また、グローバル時代を見据え、週1回、外国人教師を招いて英会話教室も実施している。

性別、年齢、キャリア、国籍などにこだわらず、人として公平に接し、大切にしてチャンスを与える、そして、国内に固執することなく、グローバルな視野を持って展開する。そんな柔軟な姿勢と行動力が同社躍進の原動力であり、大きな魅力なのかもしれない。

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