注目の中堅・中小企業
- 内山硝子株式会社
- 代表者:取締役社長 内山 将
- 設立:1927年2月
- 資本金:43,000,000円
- 本社所在地:〒131-0032 東京都墨田区東向島4-9-8
- URL:http://www.uchiyama-glass.jp/
人と人とのつながりを仕事に結び
地域密着型でビジネスを展開する
地域に根差し、ともに歩む
東京下町、墨田区東向島に本社をかまえる内山硝子株式会社は、メインとするガラスやサッシのほか、トイレタリーやサニタリーなど、住宅に関わる設備全般を扱う中堅・中小企業。昭和2年に創業し、今年の平成23年で84年目を迎えた同社は、昔から城東地区(東京には、江戸城を中心に東側を城東、西側を城西という呼び方がある)を中心に、建材卸問屋として地域密着型のサービスを展開している。
同社が卸業といわれる理由は、たとえば、顧客からアルミサッシ窓を受注した場合、まず大手サッシメーカーにサッシ(窓枠)を、大手ガラスメーカーにサッシにはめ込むガラスを注文し、それを同社で組み合わせて納品するからだ。そして、顧客はいわゆる一般消費者ではなく、地場の工務店や建具店。約800社前後と取引しているが、きめ細かな対応を実現するためにも、単にものやお金、データをやりとりするのではなく、地域の人と人とのつながりをまず大事することを心掛けている。
「長い目で育てる」が社長の信条
同社では、業務の多くは、営業と既存の顧客への対応といった接客が中心。そのため、新人にはまずマナー研修を行う。さらに男性は、OJTとして4ヵ月間、配送業務にも携わる。これは、一見営業とは無関係のようだが、営業担当になったとき、自分でサッシなどを顧客に納品することもあるからだ。
また、資格取得によるキャリアップも重視。サッシなどの建材を運ぶ上で必要とされるフォークリフトの免許、玉掛作業、キャリアに応じたクレーン操作、高所作業といった資格、これらは、必要に応じて会社が費用を負担することもある。
そんな同社では、基本的に年4、5人ペースで新卒者を採用。学歴を問わず、人柄が良くて、元気とやる気のある人を求めている。そして、日ごろから社長は、“すぐに戦力にしようと思うな。長い目で育てろ”といっているため、皆でじっくり育てる方針を採っている。
人や地域とのつながりが会社の原動力
「家族的な会社」を自負する同社では、年2回、全社員が集まる交流会のほか、新人歓迎会は例年、日帰りバスツアーを実施、仕事上でもコミュニケーションを図りやすいようにする機会を設けている。
また、隅田川花火大会が開催されるときは、取引先などにも会社の屋上を開放し、喜んでもらうためにも、昼から社員が準備に精を出して迎えている。
近年、声を掛けない、干渉しないのがクールでいいという考え方の人が増える中、ぶっきらぼうで、口調は荒いかもしれないが、決して他人を無視することなく、気にして声を掛け、心を開く人が揃っている同社は、人とのつながりを感じる下町の中堅企業。そんな言葉がぴったり当てはまる。