介護職の概要 -2-
職業訓練生に聞いた、介護職を目指す理由

学生(職業訓練生)の就学理由

平成21年度より「緊急雇用対策」による介護福祉士養成科や介護員(ホームヘルパー)養成研修2級課程コースなどが全国的に始まっています。厳しさを増す雇用情勢の中で、介護分野が「雇用吸収分野」として注目されている証です。しかし、単に「仕事が無いから」という消極的な理由だけで、学生や訓練生はこれらの職業訓練を受けているのでしょうか。ある養成校で、主に社会人入学者から就学の理由について聞いてみました。

(1)仕事のやりがい、将来性

社会人経験のある学生からは、「前から、介護に興味はあった。」(40代・男性)、「『(販売・営業等の仕事をしているとき)このままこの仕事を続けていって良いのかな』と悩んだときに、介護の仕事が頭に浮かんだ。」(30代・女性)等、以前から介護に対して興味関心があった人が多くいます。また、「これから先、介護なら仕事がなくなることはないから、腰を据えて仕事に打ち込めると思った」(20代・男性)など、介護分野に将来性を感じて、この分野に飛び込んだという言葉もありました。

(2)まわりに介護を必要とする人がいたから

「祖父母を介護している両親の姿を見ながら、何もできない自分が嫌だった。」(20代・女性)、「障害を持っているきょうだいがいたので。」(30代・女性)、「両親が徐々に年を取るなかで、将来的には介護できるようになっておきたいなと思って。」(40代・女性)など、身近な家族・親族に「介護」の必要性を感じていたことが就学を決めるきっかけになったという人も多くいました。

(3)職業訓練の条件が良かったから

「ハローワークから勧められた」(20代・男性)、「今回の職業訓練は、ハローワークの方から『とても条件が良いから』と強く勧められた。実際に受講してみて、本当にそう思う。」(30代・女性)等、この緊急雇用対策による職業訓練の条件の良さが、介護福祉士養成課程への就学を決める大きな理由のひとつのようです。介護福祉士養成コースは、多くが二年課程です。「緊急雇用対策」としてこの介護福祉士養成コースに就学する場合、その期間、雇用保険受給資格者の場合には「失業給付」が支給され、それ以外の人であっても所得に応じて「訓練・生活支援給付」が支給されるので、経済的な心配を小さくしながら、就学に専念することができるように配慮されています。

こうした好条件での職業訓練が可能となったことが、それまで興味はあっても踏み切れなかった「介護分野への再就職」を決意した大きな理由のようです。

PageTop
PageTop