現場コラム【新人、介護の仕事奮闘中】 -2-
離職から介護の仕事に就くまで②

助成金を利用してホームヘルパー2級の資格をとる。

ハローワークで「ヘルパー増加作戦事業‐受講料助成金交付」というチラシを目にしました。同様の内容でハローワークが管轄する訓練給付金制度もありましたが、今回私が利用した助成金制度は、市民が限定で受けることが出来る制度であること、助成される金額が訓練給付金制度より多いこと、などが特徴でした。ハローワークの職業相談窓口でたずねると「平成22年4月1日より募集が始まったばかりの制度でまだ受付をしている」とのこと、管轄する市の健康福祉局に問い合わせ、利用方法を確認して手続きを進めました。助成金の締め切りは1年ほど先でしたが、助成予定者数は500名限定でした。この点も訓練給付金制度との違いで“早いもの勝ち的な制度”です。さっそく、養成機関として市の指定を受けている学校に入校することにしました。
講座のスケジュールは、失業給付受給期間内に、講座を終了して就職活動を行うことを勘案して決めました。失業給付が終了する前に、資格を活かせる仕事に就いてしまいたかったのが正直なところです。受講費用は8万9千円、4ケ月以内の卒業が条件です。

受講内容は概ね以下の様な感じです。

  • 基本的に通信教育が前提となります。
  • 通信教育講座は自宅学習でレポートを提出。その後スクーリングと実習になります。
  • スクーリングは午前9:00~午後5:30の間、演習を中心に講義が行われます。
  • 講義内容は、高齢者・障害者福祉の理念、住宅福祉用具の知識、医学の基礎知識、介護者の負担を軽減する介助方法などです。
  • 演習はクラスメイトを高齢者や障害者に見立てて行います。
    代表的な演習は、
    ①トランス(移乗):抱きかかえてベッドから車いすに移動させる。
    ②入浴介助:抱きかかえて入浴させる。
    ③排泄介助:寝たままあるいは立たせたままオムツ交換を行う。
    ④リネン交換:ベッドに寝かせたままシーツやマットの交換を行う。
    疑似体験学習は、
    ①オムツ装着体験(大人用オムツを装着して一日以上過ごして体験レポートを提出)
    ②疑似高齢者体験(白内障メガネ・耳栓・重りなどを身につけて杖を突いて2時間程度散歩する)
    ③車いす体験:車いすに乗るまたは押す側になって散歩する。
    という内容でした。
  • 講義と演習を行った後に施設で4日程度の介護実習と在宅介護サービスを行います。実習先では実際に高齢者を相手に介護の研修をしますが、どの施設も無資格の学生に具体的な介助は任せられず、荷物運びやコミュニケーション実習(お話し相手)程度に限られました。
講義内容や体験学習は決して難しいものではなく、中学校の保健体育授業の延長と考えれば分かりやすいでしょう。大人になってからの体験なので恥ずかしさがまず先に来てしまう感じです。ここで一番学ばなければならないことは介護福祉の理念だと思います。技術的なことは経験を積めば修得出来ると思いますが、高齢者やハンデキャップを抱えている人を自己犠牲の精神で介助しなければならないということを正しく理解しないと、働きはじめてから挫折をしてしまうと思います。実際に資格のみ修得して介護の仕事に就かないペーパーホームヘルパーが沢山いると講師が言っていました。
受講前のガイダンスでは、平均3~6ケ月で終了との説明がありましたが、短期集中コースであったため、自宅学習5時間程度、スクーリング8日間、施設実習4日間の述べ日数概ね14日で講座は修了しました。
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